メキシコに住む私たちを悩ませるahoritaって一体なに?

February 7, 2018

日本人だけでなく、地球上に住む「メキシコ人以外」を悩ます言葉。それはズバリ“ahorita”ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

アオリータって、なに? 

 

“Ahorita(アオリータ)”とは、文法的には「今」を指す”ahora”という単語に縮小辞-itaがついたものです。が、決して「今」を意味するのではなく「今より後のいつか」のことを指すのが一般的です。

 

例えば、筆者が仕事中に「この前の出張の精算、ちゃんと出してね」と頼むとします。
その際 ”OK, ahorita te lo paso” (OK、後で渡すね)といわれたからと言って、安心するわけにはいきません。実際のところは「今は他の業務で忙しいから、時間ができたら後でやるわ」くらいのニュアンスで受けていたほうが懸命です。
本当にすぐやる場合は”enseguida”(直ちに)と返事があるでしょう。

 

 

このように、今現在より後だが、5分後なのか1時間後なのか1日後なのかわからない。それが”ahorita”の特徴です。

 

それだけならまだ大きな問題でもないのですが、メキシコに住む外国人が”ahorita”に悩む理由。それは、「実際には行われない行動に対しても使われる」ところにあります。

これに関しては、筆者も「”ahorita”、難しいな!」とうなった経験があります。

 

 

 

メキシコ人の優しさの表れ?

 

過去にフリーペーパー編集部で働いていたときのこと。取材に行く道すがら、興味を引くレストランがありました。まだ時間に余裕もあるし、ちょっと覗いてみるか…と思い、お店の人に話を聞くことに。ふむふむ、とメモを取りつつ「これから寄るところがあるから、”ahorita”戻ってきます」と言い残して取材先へ向かいました。
 

取材が終わってからレストランに引き返してみると、なんと改装工事を始めているじゃありませんか。お店の人に「今日改装するならさっきそういってくれればよかったのに!」と文句を言うと「え?ほんとに戻ってきたの?」と返されて、こちらが「え?」となりました。

 

 

実際にはやらないことに関して”ahorita”が使われる場合、それは決して相手に嘘をつこう、という気持ちがあるわけではなく「ノーときっぱり言うのは気が引けるからなあ」という「メキシコ人の優しさ(というと好意的に取りすぎかもしれませんが)」がベースにあると考えられます。

 

お店で商品を勧められたとき。こちらのレストランいかがですか、と声をかけられたとき。全然興味ないけれど「ノーグラシャス!」というと角がたつ。そんな時、便利に使われるのが”ahorita”。全面的に否定はしないけれど、暗にいらないよ、とオブラートに包むというやり方です。それで、件のお店の人も、私が”ahorita”と言ったので「ああ、興味がなかったんだな」と判断。改装工事を始めた、ということなのですね。

 

む、難しい。

 

ちなみにこのエピソード、もう5年くらい前の話なのですが、いまだに「興味がないときの”ahorita”」がうまく使えずにきっぱり「ノー!」と言ってしまうことも多々あります(友人たちの話を聞くと、どうやら筆者だけでなかったようでちょっと安心してしまいますが)。

 

かつて日本が強くなった90年代に『NOと言える日本』という本が流行りましたが、メキシコにおいてはNOと言えない(言わない)文化がある、と知っておくのも大事かもしれません。

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