COCO/リメンバー・ミーをもっと楽しむ。メキシコをもっと好きになる。 COCOの世界にちりばめられたメキシコのシンボルたち

March 6, 2018

人生において、4度も映画館上映で見た映画は初めて、というくらい娘と共にハマった映画。それがCOCO(邦題『リメンバー・ミー』)です。

 

インタビューや公式ページによると、制作陣は5年の歳月をかけてメキシコをリサーチ。

その結果、細部にわたって「こんなところまでメキシコ!」と思わせる作品に仕上がっています。

 

今回は、その『COCO/リメンバー・ミー』の世界にちりばめられたキュートな、そして興味深いメキシコのシンボルたちをピックアップしてみました。

トリビアを知って、もっと映画を深く、面白く感じていただければ幸いです!

 

 

 

死者の日ってなに?

 

ご存知の通り、この映画はメキシコの死者の日をベースにした物語です。

死者の日とは、日本で言うところのお盆のような習慣。亡くなった人々が家族や親戚の元に帰ってくる、と言われている日です。

プレヒスパニックの時代は、この日は水が原因で亡くなった人が帰ってくる日。この日は火が原因で亡くなった人、といった細かい分類があったそうですが、スペイン侵略以降、カトリックの祭日と合わさり、現在では子どもが帰ってくる11/1と大人が帰ってくる11/2を死者の日と呼んでいます。

 

 

映画全編を通して大事な役割を担うのがオレンジ色のセンパスチルの花。日本ではマリーゴールドと呼ばれるこの花は、死者の日になくてはならない花。

映画本編でも語られていましたが、この花を頼りに死者は家族の元に戻るのだそう。

 

*死者の日の過ごし方についてはChiikサイトに掲載の拙記事「無形世界文化遺産!メキシコ版お盆『死者の日』から学ぶこと」もぜひご覧ください。

 

https://chiik.jp/articles/CJRcD

 

 

 

ガイコツに特別な意味はあるの?

 

死者の国の住人は、みなガイコツの姿をしています。

メキシコではポピュラーなこのモチーフは、19世紀の風刺画家ホセ・グアダルーペ・ポサダの生み出した「カトリーナ」というガイコツをベースにしている、と言われています。

 

 

ちなみにこのカトリーナは、メキシコの壁画家として、また画家フリーダ・カーロ(彼女も映画の中で大活躍ですね!)の夫として有名なディエゴ・リベラの「アラメダ公園の日曜の午後の夢」の中心に、幼い日のディエゴの手をひいて描かれています。

 

「アラメダ公園の日曜の午後の夢」はメキシコシティのディエゴ・リベラ壁画美術館で見ることができます。

http://www.museomuraldiegorivera.bellasartes.gob.mx/

 

 

 

これぞメキシカンキュート!

 

映画を華やかに彩るメキシコのアイコンがパペル・ピカードやピニャータ。パペル・ピカードはクレープペーパー(お花紙とよばれる薄紙)に様々な模様を切り絵にした旗です。当時、映画館はCOCOのパペル・ピカードで溢れていました。

 

 

また、ピニャータの華やかさもメキシコにはなくてはならないもの。

 

 

キャラクターや動物の形をした張り子のくす玉の中に駄菓子やフルーツを入れて、スイカ割の要領で割って楽しむパーティーゲームです。

 

そして、映画の中で大事な役割を担っていたアレブリヘ。名称に関しても諸説あり、その誕生の経緯も詳しくたどっていくとまた別の面白さがあるようです。なにはともあれ、木彫りのものや張り子のものがあり、どちらもメキシコを代表する民芸品。

 

こちらは、毎年レフォルマ通りで行われるアレブリヘパレードの作品です。

 

 

木彫りのアレブリヘ職人として著名なオアハカ在住ハコボ&マリアご夫妻は日本人の間でも大人気で、2017年にも木曽と東京でアレブリヘのワークショップを行いました。

エンディングロールのSpecial Thanksにも彼らの名前が載っている、とは、日本でのアレブリヘワークショップをオーガナイズし、またこちらの原稿を書くにあたって質問させていただいた「さる屋」さんからの情報です。

さる屋さんのFacebookやツイッターには、これぞ『COCO/リメンバー・ミー』の世界!といった写真がたくさんありますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

 

さる屋webサイト

http://saruyaoax.com/

 

 

 

キャラクターの服にもぜひ注目

 

登場人物の着ているオアハカ各地の刺繍のかわいらしいデザインも見所の1つです。そして、ココおばあちゃんのベッドに置いてあるのが「テナンゴ刺繍」をほどこした枕カバー。

 

 

出番は本当に一瞬だけですが、こんなところまでメキシコっぽい、と思わずにはいられなかった小道具です。このテナンゴ刺繍、2011年のエルメスのスカーフモチーフにも選ばれたことで当時注目を浴びた、イダルゴ州生まれの刺繍です。

イダルゴといえば、本田圭祐選手の所属するチーム本拠地、パチューカのある州ですね!

 

 

 

無形文化財にも選ばれている、メキシコの食

 

2010年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されたメキシコ料理は、映画でも花を添えています。チョコレートとチレを使った独特のソース「モレ」やメキシコ版とうもろこしちまきともいうべき「タマレス」、そしてメキシコの甘系パンの定番「コンチャ」などなど。

 

中でも筆者が「うわ、メキシコ!」と思ったのが、茹でトウモロコシ「エローテ」。

こちらでは、ゆでたトウモロコシにたっぷりのマヨネーズとチーズ、それからレモンにチレをふりかけて食べるのが定番。

夕方、小腹の空いた頃に屋台で売られるこのマヨネーズべったべたエローテを持って、乗車率100%のメトロバスに乗り込んでくるのがメキシコ流…だったりします。

 

さて、こちらのエローテ、どのシーンで出てきたか、お気づきですか?

メキシコ人たちはこのシーンに大笑いでした。

 

 

COCOの世界にインスピレーションを与えた場所

ミゲルが住むSanta Cecilia、そしてもちろん死者の国も、実在の町ではありません。

ですが、インスピレーションを与えたといわれる場所はあります。

 

日本語公式ページによると、死者の国はグアナファトがモチーフになっているのだとか。

カラフルな建物、そして、石畳の通りなどがそれです。

 

死者の日のパンテオン(墓地)はメキシコシティのミスキック、ミチョアカンのパツクアロなどがイメージされているそう。

 

そしてもっともインスピレーションを与えたのがオアハカ、と言われています。

実際筆者も、ミゲルが走り回る町の風景を見てオアハカのトラコルーラ(Tlacolula)を思い出しました。トラコルーラは、日曜日の青空市場で知られる場所です。きっとオアハカ在住や滞在経験のある皆さんは「あ、ここは!」と思い出す場所がたくさんあるんじゃないかな、と感じます。

 

それから、人気観光スポットのテオティワカン・ピラミッドやセノーテ(ユカタン半島に見られる地底湖のこと)なども登場しますので、お見逃しなく!

 

そんな中、またもや筆者に「うわ、メキシコ!」と思わせたのが、ミゲルが死者の国で乗るモノレールの行き先。「Hidalgo(イダルゴ) – Juarez(フアレス) Oriente」とあったのですが、この2つの通りの名前は、メキシコのどの町にもあるといっても過言ではない名前。

イダルゴは、メキシコ独立初期の指導者であるミゲル・イダルゴ。そしてフアレスは、先住民から選ばれた初の大統領ベニート・フアレスのことです。

この「どの町にもあるある」が細かいながらも「まごうことなく、メキシコ」と思わせる要素でした。

 

 

 

ミゲルのよき友人は…

 

そして最後に、主人公ミゲルのよき友人であるダンテ。彼は、メキシコ原産の毛のないアステカ犬。「メキシカン・へアレス・ドッグ」などと呼ばれるようですが、メキシコでの正式名はショロイツクイントリ/Xoloitzcuintli。起源は3000年前までにさかのぼり、アステカ文明においては聖なる犬とされていたと共に、16世紀のスペイン人の書物によると、食用でもあったとか。

 

 

***

いかがでしたか?

みれば見るほど、新しい発見と魅力がある『COCO/リメンバー・ミー』。アカデミー賞受賞でますます話題のこの1作。映画館で見逃した方も、ぜひご覧になってみてください!

 

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